『一枚刃と多枚刃。どう使うかをお客様目線で考える。』

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以前の投稿。

 

『そう、あの日6枚刃のカミソリを手に入れた僕は・・・大切な何かを失ったんだ。』
ムフフフフ・・・・ 買っちゃいました・・・・・ 一番左が6枚刃のカミソリです。 ムフフフフ。 これで男性用だけで5種類・・・ 右から 1枚刃 フローレザー(当たりが柔らかくなるバーがついた1枚刃) 2枚刃 5枚刃 そして今回買った、6枚刃。...

 

これを見た理容師さんから「こんなに色々必要?」と言われることがよくあります。

必要かどうかはその技術者の技術力や顔剃りのゴールをどう考えるのかで変わると思うので一概には言えないと思います。

 

ちなみに 僕にとっていちばん大事なことは

剃り上がった後のお客様の肌を痛くしないこと。その範囲内で出来うる限り綺麗に剃ること。

だから極端な話、めっちゃ髭が濃く、皮膚が弱いお客様の顔剃りをやるとしたら、ザラザラが残っててもこれ以上深く剃ったら血が吹くなぁと思えばそこでやめます。あくまで極端な話ですが。

そのためには当たりが柔らかく、ある程度の深さまでなら痛くなく確実に剃れる多枚刃のカミソリは有効だと思ってます。

 

多枚刃のメリットとデメリット

簡単に確実にある程度の深さまで痛くなく剃れる。

 

これは多枚刃のカミソリのもつ大きなメリットです。

枚数が増えれば増えるほど、当たりも柔らかいです。

 

もちろんデメリットもあります。

それは、凹凸に弱いこと。刃の面が広いのでへこんだ部分を攻めきれません。キワの部分もキワが刃に隠れて攻めきれません。

多枚刃で一通り剃ったあと、残っている部分を一枚刃、やばそう(血が吹きそう)なら二枚刃を使って仕上げる。そういった使い分けが必要だと思います。

 

一枚刃のメリットとデメリット

一枚刃のメリットは

 

深く剃れること。キワを攻められること。

 

あと、これ、お客様からたまに言われることなんですが、

 

「剃られてる感じ」がすること。

 

その感触こそが、これぞ顔剃り!と思っているお客様はいます。

 

使っている側の理容師さんでも

 

理容師たるものカミソリは一枚刃じゃい!

 

とおっしゃる方は多くいると思います。

 

デメリットは

 

剃れ過ぎるあまりカミソリ負けを起こしやすいこと。

 

カミソリ負けとは、毛穴の包皮まで削ってしまい血がプツプツ吹いたり、肌が赤くヒリヒリした状態になってしまうことです。

 

失敗すると皮膚を切ってしまう危険があるのもデメリットです。

 

誰のためにこだわるのか

こだわりを持って仕事をするのは大切だと思いますが、でもそのこだわりは誰のためのもの?と思うのです。

 

⚪お客様にそのジョリジョリとした感触を楽しんでもらう

⚪多少ヒリヒリしてもいいからとにかくツルツルにしてほしい

というお客様の声に応える為のものであれば納得です。

 

確かにその感触を好む方はいると思います。

 

しかしそれがただ漫然と「理容師たるもの一枚刃じゃい!」という単なる自己満であってはならないと思います。

「こだわり」と「頑固」は違いますよ。

 

あ、でも、もしかしたら・・どんな髭でも一枚刃で芸術的に痛くなく剃れる理容師さん、なのかもしれませんが・・・

 

でも僕には、できません

 

 

もう一方のお客様目線。

 

⚪痛くしないでキレイにしてほしい。

 

僕はそちらの声に応えていきたいです。

 

皮膚の弱い人にとって、一枚刃はカミソリ負けする可能性が多枚刃よりも圧倒的に高い以上、僕はそのスタンスを変える気はありません。

 

そういった観点から、僕は一枚刃と多枚刃を状況に応じて使い分けるというスタンスを取ってます。

 

 

知ってました?実は、一枚刃>多枚刃

そういえば今日お客様とお話をしていて「あ!そうなの!?知らなかった!!」と言われたことなのですが、

カミソリは刃の枚数が増えれば増えるほど深く剃れると思ってらっしゃるお客様がいました。

 

これは間違いです。

 

一番深く剃れるのは一枚刃です。

そこから3馬身くらいの差がひらいて2枚刃。

そこからまた2馬身で3枚刃。

で、あとは頭差くらいで4→5→6となるイメージです 笑

※補足追記  市販の一枚刃と理容師が使う一枚刃は全くの別物です。安全カミソリと呼ばれる市販の一枚刃での深剃りは痛いだけであまり深くは剃れません。このブログでの一枚刃は理容師が使う一枚刃を差します。

 

逆に枚数が多いほうが肌への当たりは柔らかくなっていきます。

 

どこまで深く剃るか。

逆に、どれだけ薄く残すか。

 

深く剃るということはカミソリ負けするリスクが増えることを意味し、浅く剃れば剃り残しと思われる可能性がある。

 

その辺のギリギリのバランスを探す。

 

何枚刃を使おうがこれは僕ら理容師の永遠の課題だと思います。

 

どんな髭でもどんな皮膚でもこれさえあれば痛くなくツルツルだぜ!そんな薬剤や道具がいずれ出てくるかもしれませんね。その時に柔軟に対応できるような頭にしておきたいです。

 

 


 

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投稿者プロフィール

古澤 達也
古澤 達也理容師
昭和33年創業「古澤理容館」の三代目、現在は、癒しメニュー特化型理容室「理容フルサワ~LIVINGROOM~ 」室長。1973年生まれ、出身・在住ともに横浜市鶴見区。全理連ヘアーカウンセラー。2010年横浜市優秀技能者賞受賞。

理容師の為のオンラインサロン『Barber-Bar』主宰。

顔そりやヘッドスパなどの「癒し」に特化したサロンコンセプトのもと、ストレス社会に生きる現代人の疲れや肌荒れと向き合っている。特にメンズ向けのシェービングは「顔そりという名のエステ」として圧倒的な心地良さをもたらし、その独自の顔そり術は評判を呼び遠方からの来客も多い。

活動理念は「顧客様の日常に笑顔が増えるお手伝いをする」。顔剃りとヘッドスパでお客様を眠りに誘うことがやりがい。

ブログは15年以上続けており、ライフワークとなっている。